
ニーズ
・点字を打つ作業を一時的に中断する際に、打ち終わった場所をマーキングしたい。
・マークをした際に簡単には外れずに、容易に探索出来る工夫が必要。
・一人でマークをつけるためには、分かりやすく難易度が高くないものでなければならない。
調査
・対象者は全盲であり、糖尿病や神経障害も発症しているが、指先などの感覚に問題はない。
・点字を打つ際も一般的な方法を用いて問題なく打つ事が可能。
・使用している点字器は、パイオニアグッズ株式会社 日本盲人用具開発センター製 標準型点字盤 S-18型。

アイデア
今回の対象者は、手や指の触覚については問題がないという事から、触覚を使って打ち終わった場所を認識できる器具を考案した。

提案システム
・点字を打つ作業を中断するには、点筆を点字器に接触させた状態で、左手を使って設置型マーカーをマスに嵌るように置く。

・マーカーの溝に点筆の軸を沿わせると正確に置ける。再開するには、マーカーの溝に点筆を沿わせてから取り外す。

実装・モックアップ
・この案の利点として、次の事が挙げられる。
①設置や取り外しが容易
②普段行っている作業方法を変更しなくてよい
③他の機器に加工を施すことなくニーズを解決
④マス目を正確に認識できる

・点字盤の上に置くだけという性質上、少しの衝撃で外れ易いという問題点が浮上したため、下部におもりをつけることで重量を上げ、重心を下げるという改善を行った

当事者の方からのフィードバック
良い点:持ちやすく、肌触りが良い点。デザインが秀逸な点。商品化して欲しい。
改善点:携帯用のもうワンサイズ小さいものがあると良い。マーカーを点字版のケース内にしまえたら良い。
※当時、国立障害者リハビリテーションセンターを利用されていた方に、実物をお試し頂いた際のご感想になります。