埼玉大学 工学部機械工学科

埼玉大学 工学部機械工学科

埼玉大学 工学部機械工学科

これは面白そうだ。最初にプロジェクトのお話を聞いたときにそう思いました。プロジェクトに参加した理由はたくさんありますが、そもそも私は医療機器などに興味があり機械工学科に入ったので、まさに今回のプロジェクトは私の好奇心を大いに惹きつけました。

また、私たちは機械工学科の学生で、座学の勉強などを通して多くの知識を身に付けましたが、実際に機械や装置を作り出す経験は、実験やセミナーを通していくらかの簡単な物を作る程度しかありませんでした。ですから、このプロジェクトを通して自分の専門的な能力をどの程度発揮でき、また、多様な専門の方の集まるチームの中で機械工学科という学問はどのような役割を担うのかということを客観的に把握する貴重な体験になると思いました。

4カ月程度経た今思うことは、当初のイメージに反し、実際に設計などをする割合はプロジェクト全体のごく一部であるということです。何か世に役立つものを作りたいと思い立ったとき、最も重要なことの一つは利用者のニーズを正確に把握することだと感じました。

そのため、使用者の意見を十分聞き、その声のみならず、周囲の環境の背景などを調査することに力を注ぎました。

これらの経験は今後工学を用いて社会に貢献したいと考える私たちに広い視野をあたえ、より良いエンジニアになるための糧になったと思います。

首都大学東京 健康福祉学部 作業療法学科 大学院 人間健康科学研究科 作業療法科学域

首都大学東京 健康福祉学部 作業療法学科 大学院 人間健康科学研究科 作業療法科学域

首都大学東京 健康福祉学部 作業療法学科 大学院 人間健康科学研究科 作業療法科学域

私たちは学部生2名、修士生2名の計4名で今回のプロジェクトに参加させていただきました。支援機器制作を通して、異なる専門性を持った人たちが協力することによる無限の可能性や多職種連携を行う上での各職種の理解の大切さを学ぶことが出来ました。

初めは、各専門性についての理解が乏しく、私たちの専門性ではどのようなことが出来るのか、また、他の方々はどのような強みを持っているのかについて考えました。しかし、相互の専門性の理解が進んだ上での話し合いの場面では、様々な視点からの意見が飛び交い、多くの学びがありました。大学では同じ専門性を持つ者同士との交流に限局されてしまう為、異なる分野で専門性を培っている方々の意見は大変刺激的で、広い視野を持つことの大切さを痛感しました。

それと同時に、私たちの専門性を知っていただけたことも有意義でした。限られた時間のなかでの制作は大変なこともありましたが、完成した達成感は大きく、デザイン、エンジニアや医療それぞれの立場で、一緒に支援機器制作に関わることで得た時間はかけがいのないものになりました。

最後になりましたが、今回このようなプロジェクトに参加させていただき、非常に良い経験が出来ました。国立障害者リハビリテーションセンターの職員の皆様、他大学の学生・先生方、そしてご協力いただいた当事者の皆様に厚く御礼申し上げます。

社会医学技術学院 夜間部 理学療法学科

社会医学技術学院 夜間部 理学療法学科

社会医学技術学院 夜間部 理学療法学科

私達は専門学校社会医学技術学院に在籍する夜間部理学療法学科の学生です。数か月の臨床実習を経験した後、10月から本プロジェクトに取り組みました。私達は医療・福祉分野の学生として障害のある方の自立について個別性がある点、疾患特性の理解やリスク管理の必要性がある点を他分野の参加者に理解して頂き、ものづくりに反映していけるよう努めました。

今回臨床実習後であり対象者のニーズ把握については十分にできると思える場面もありましたが、思うような成果とはならず知識や経験不足を含め、最もニーズ発掘が困難であると改めて気づかされました。しかし、私達の未熟さを補うようにデザイン系・工学系・医療福祉系の学生3分野での健闘は自立支援機器開発の発展に寄与できると感じました。

一方、自立支援機器開発事業を更に発展させていくためには、過去を反省し未来に活かしていくことが大切だと思いました。私達学生も含め、人材を育てていく側も満足せず、障害のある方の生活を本気で考えていけるような視野を持つことやプロジェクト実行につきしっかり準備をすることが大切だと感じました。

これらを踏まえ、多くの関係者が成長できる場であったと考えています。最後になりましたが、今回のプロジェクトに参加したことで得た貴重な経験を私達は今後の医療福祉分野における臨床・教育・研究の場に活かし発展に貢献していきたいと思います。このような貴重な経験を得る機会を提供して頂いたプロジェクト関係者の皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。

首都大学東京 システムデザイン研究科

首都大学東京 システムデザイン研究科

首都大学東京 システムデザイン研究科

私たちは首都大学東京インダストリアルアート学域インタクティブアートデザインスタジオの学生です。今回は途中から参加させていただきましてありがとうございました。短い間にプロダクトのアイディアを形にするのは大変でしたが、たくさん勉強させていただきました。

私たちは人の気持ちを重視しつつ新しい体験を考慮するインタラクティブデザインの学生です。障害者の気持ちを配慮しながらプロダクトを作るのはすごく新鮮な体験でした。

医療系の学生とコラボレーションしプロジェクトの進行を検討することで、障害者の生活には健常者が想像つかない困難がわかりました。プロジェクトを進んでいるときに、障害者が健常者のように扱われたい、もっと自由に活動したいなどの意見も考えてプロダクトをデザインしてきました。

今回、こんな貴重な機会をいただき、国立障害者リハビリテーションセンターの方々や協力いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

千葉県立保健医療大学 作業療法学専攻

千葉県立保健医療大学 作業療法学専攻

千葉県立保健医療大学 作業療法学専攻

私たちは、千葉県立保健医療大学にて作業療法学を専攻している4年生の学生です。私たちが目指している作業療法士とは、その人なりの生活の方法を一緒に考え、習得を支援し、その人らしい人生の物語に作業を通して共に歩んでいく職業になります。

このプロジェクトへの参加は2回目で、長期実習の経験などから前回の参加のときよりも作業療法の専門知識が増え、作業療法学生としての意見を、少し自信をもって発言することが出来たように思います。そして、自分たちの意見が自助具作成に取り入れられ、反映され、実際にモノとして形になっていく過程に対して喜びを感じました。

また、他学科の学生とよりよい自助具作成のための意見交換をする中で、今後作業療法士として臨床現場でよりよい治療の提供のために、チームとして対象者に向き合い意見交換をする大切さを改めて感じた機会でもありました。

今回のプロジェクトの経験を経て、更なる知識の技術等を蓄え、励んでいかなければならないと痛感すると共に、改めて決心する良い機会となりました。

最後になりましたが、今回このような貴重なプロジェクトに参加させて頂き、他大学の学生・先生や、国立障害者リハビリテーションセンターの職員、また、今回のプロジェクトに協力して下さった当事者の皆さま方と交流できたことに厚く御礼申し上げます。

東京学芸大学 特別支援科学講座

東京学芸大学 特別支援科学講座

東京学芸大学 特別支援科学講座

東京学芸大学高橋研究室は2年目の参加となり、髙橋智教授・田部絢子大阪体育大学准教授・内藤千尋白梅学園大学助教のほか4人の学生メンバー(石井智也:博士課程1年、能田昴:修士課程2年、喜屋武萌加:学部3年、菅井遥:学部3年)が参加しております。

高橋研究室では「当事者調査からさぐる本人が求める理解・支援のシステム・方法の開発」に力が入れられており、発達障害の感覚過敏、身体症状、身体運動の困難、食の困難、皮膚感覚の困難、睡眠困難等の実態解明と支援の検討に取り組んできました。

とくに最近は、髙橋教授がJST・CREST「認知ミラーリング:認知過程の自己理解と社会的共有による発達障害者支援」(代表:長井志江・大阪大学、2016~2022年)の「当事者研究グループ」(熊谷晋一郎・東京大学)に参加し、発達障害当事者の「語り」のデータをアーカイブ化した「エピソード・ベースト・ラーニングシステム(EBL)」の構築に向けて、研究室の22種類の当事者調査研究で得た当事者約1,400名のデータ整理の作業に取り組んでいます。

私たち学生もこうした知見に学び、本人のニーズを捉えた上で支援することを意識しているつもりでしたが、つい自分が伝えたいことが先行し、ニーズを把握することが疎かになることもありました。NIFの取り組みは、当事者のニーズの丁寧な聞き取りを通じて一つの製品を作るのであり、学生の「熱意」のみで支援機器を作ることは許されません。当事者のニーズを把握し、それが反映された支援機器・製品の開発に向けては、多様な参加学生との「知識・理解・経験」の共有・検討を十分に行う必要がありました。

こうした作業を通じて、当事者にとって何が生活の中で本当に必要とされているかを具体的に考える重要な機会となりました。

千葉大学 大学院工学研究科 デザイン科学専攻

千葉大学 大学院工学研究科 デザイン科学専攻

千葉大学 大学院工学研究科 デザイン科学専攻

千葉大学はデザインの分野として本プロジェクトに参加しました。普段大学ではプロダクト、サービス、グラフィック、空間、車などのデザインを学んでいますが、本プロジェクトのように実際の生活者からのニーズを元に解決策を提案する授業は少ないため、とても貴重な経験となりました。また実際に障がい者の方と対面してインタビューをすることができ、普段の生活では考えないような視点の意見を聞くことができ、とても勉強になりました。

このプロジェクトにおいて私たちは、具体的なニーズの可視化からプロトタイプの試作、発表資料や冊子の制作に携わりました。プロジェクト自体の期間が短いことや、メンバーの所在地が離れているということもあり、グループで実現可能なニーズをみつけ、それをカタチにする作業はとても大変でした。しかし発表会に訪れた人から制作物に対して、実際に意見やアドバイス、感想を頂きとてもやりがいを感じました。
また普段はデザイン以外の分野の学生とグループワークをすることが無いので、本プロジェクトでは他分野の学生の視点や考え方の違いも感じることができ面白かったです。

最後になりますが、短い期間でしたが多くの方にお世話になりました。貴重な経験をありがとうございました。このプロジェクトで学び知ったことや経験したことは、今後の人生の様々なところで役に立つだろうと感じております。ありがとうございました。

東京工業高等専門学校 電子工学科

東京工業高等専門学校 電子工学科

東京工業高等専門学校 電子工学科

私たちは、東京工業高等専門学校で電子工学を専攻している学生です。私たちは、世界に通用するトップエンジニアを目指して日々勉強しています。エンジニアは、世の中のニーズをとらえ、高い技術力をもって問題を解決することが求められています。今回のプロジェクトに参加することで感じたことは、電子工学という分野だけに留まっていては、見えてこないものもあるのではないかということです。

また、餅は餅屋という言葉があるように、専門外から出た突飛な意見に、専門の目線から現実的なアドバイスを頂くということでスムーズにものづくりが進むという体験を得ることが出来ました。

また、実際の現場を見て、ニーズを発見するというプロセスを学ぶことも出来ました。実際の製品開発でも、開発者が想像することだけではなく、ユーザーでないと分からない視点というものがあるのではないかと思います。

最後になりましたが、今回このような貴重な機会を与えてくださった国立リハビリテーションセンターの皆様、議論やアドバイスを下さったプロジェクトに携わっている全ての学生・先生には厚く御礼申し上げます。

東京工業大学 エンジニアリングデザインコース

東京工業大学 エンジニアリングデザインコース

東京工業大学 エンジニアリングデザインコース

私たちは、東京工業大学工学院機械系でエンジニアリングデザインを専攻している博士課程の学生です。専攻では、ユーザのニーズを的確に捉え、技術力を持って、ユーザの体験を作り上げることを学んでいます。

今回のプロジェクトは、10月から6ヶ月に渡って参加させていただきました。普段接することが少ない、障害者の方々の日常を豊かにするための設計を求められました。我々にとっては「ちょっとした日常の動作」を実現する形を考えることは非常に難しいものでした。

また、プロジェクトをすすめる中で、「いま設計している課題」の他にも様々な課題や「できるようになりたいこと」を障害者の方々は抱えていらっしゃるのだと感じました。
医療系を専門とする学生と協働することで、障害者の方のニーズを推察し、プロジェクトを進めていきました。

「より多くの方に使っていただける設計にしたい」という現場の声がプロジェクトをすすめる原動力となっていたように感じます。このような貴重な機会を提供いいただいた、国立リハビリテーションセンターを始めとした、関係者の皆様、また開発に協力いただいた障害当事者の皆様に厚く御礼申し上げます。

東京電機大学 未来科学部 ロボット・ メカトロニクス学科

東京電機大学 未来科学部 ロボット・ メカトロニクス学科

東京電機大学 未来科学部 ロボット・ メカトロニクス学科

私達は東京電機大学未来科学部ロボット・メカトロニクス学科に所属している学生です。私達はNIFに参加することになった時、私達の力が他校の人達の役に立つことができるのか、知 らない人と協力し便利なものを作ることができるのか不安でした。

ですが実際に参加したところ、不安は払拭されました。
自分にはない様々なアイデアの中からメンバーと話し合って決めていくことがとても楽しく、自分達の知識も役に立てることができたため、実際にモノが出来て触った時は感動しました。短い期間の中で結果を出すため、具体的な納期やスケジュールを決め、メンバー全員と共有することの重要性も学ぶことができました。

またメンバーの一人ひとりが協力的で話し合いもとても有意義なものとなりました。そしてNIFの活動では作業療法士の方に実際にお話をうかがい、この活動に参加しなければ体験することのなかったであろう貴重な経験が得られました。

このように私達はNIFに参加することで、人と協力してものを作ることの楽しさを再確認すること、また普段の生活では得ることのできない貴重な体験ができ、自分のモノづくりの窓が広がったと感じました。

女子美術大学大学院 デザイン専攻 メディア研究領域

女子美術大学大学院 デザイン専攻 メディア研究領域

女子美術大学大学院 デザイン専攻 メディア研究領域

2018年度のNIFプロジェクトに参加させて頂きました女子美術大学です。大学では、写真・映像・デジタルアートやインタラクティブ等、幅広いメディア表現を専門に学び、それぞれアート作品の制作に挑戦しています。

私たち3人は、 中国・台湾・韓国からの留学生です。医療・福祉を学ぶ学生の皆さん、技術面から制作を支えてくれた工学系学生の皆さんと、異なる専門分野の立場から話し合うことで、アイディアが実現し、視野が大きく広がったように感じています。

はじめての経験ばかりで最初は不安に感じることも多かったのですが、カシオ計算機株式会社の皆様のご協力で、新たな印刷技術を活かした表現にもチャレンジできました。

この場を借りて、お世話になった国立障害者リハビリテーションセンター研究所の先生をはじめ、ご協力頂いたカシオ計算機株式会社様、助言アドバイスを頂いた各大学の先生・参加学生の皆様、全てに心から御礼申し上げます。

日本医療科学大学 作業療法学専攻

日本医療科学大学 作業療法学専攻

日本医療科学大学 作業療法学専攻

日本医療科学大学は、保健医療学部に、リハビリテーション学科(理学療法学専攻・作業療法学専攻)、診療放射線学科、看護学科、臨床工学科があります。日頃から、コ・メディカルの連携と、チーム医療への意識付けを行っています。自分たち以外の専門家とのコラボレーションへの興味・関心もあり、作業療法学専攻の2名(3年)がこの催しに参加しました。

多職種の専門性と、得た情報を統合し、次の課題への取組としていますが、今回は、異業種、異文化との遭遇といった形になりました。特に、我々が用いる「ニーズ」と、工業系の方々が使用されている「ニーズ」に隔たりがあり、最初はどうも噛み合わない議論になったようです。「ニーズ」が、多くの人数に対応した言葉であったようですが、こちらは、より個別性の高い製品開発へ向かったようです。つまり、服で言えば、「プレタ・ポルテ」と「オートクチュール」の様な感じです。

しかし、この間、学生によってされたことや各々の主張が、「誰かの役に立つこと」、果実を産んだと確信します。形はどうあれ、「NIF」の取組が広く社会に知れたらと思います。縁や機会が与えられたことに、学生も、教官も大きな喜びを覚え、感謝しております。

日本医療科学大学 作業療法学専攻 教授 德永千尋