頸髄損傷者のための片手で使えるタオル絞り器

頸髄損傷者のための片手で使えるタオル絞り器
千葉大学 大津 聡一郎 梅澤 理也 女子美術大学 赤堀このみ 埼玉大学 渡邉 光毅 抜井 寛治
東京電機大学 中村 友哉 尚絅学院大学 熊耳 薫 鈴木 萌 東京都立大学 遠藤 壮志 伊藤 健大 Chirathip Thawisuk


ニーズ

細かい手指の操作が不自由な方が洗顔をする際は、両手で水をすくうことができないため、タオルを水に浸して絞ることで、洗顔をしたいというニーズがある。しかし、タオルを蛇口部分に引っ掛けることで捻ったり、吐水パイプにタオルを引っ掛けて片手で絞るということが難しい。

調査

対象ユーザーの症状やニーズの詳細について調査をした。その結果、対象ユーザーは左手が機能せず、右手で簡単に操作可能なタオル絞り器を求めていることがわかった。また、現在はタオルをシンク底に押し潰すようにして水を切っており、ほとんど絞れないことがわかった。さらに、従来のタオル絞り器は、細かい手指の操作を要したり、器具自体が重くて持ち運びが困難なものが多かった。

調査|頸髄損傷者のための片手で使えるタオル絞り器

アイデア

タオルを筒に入れ、レバーを回してピストンを圧縮することで絞るが、レバーを戻してもピストンは戻らないため、片手で簡単なレバー操作でタオルが絞れる。

提案システム

回転を一方向のみ伝えるラチェット機構とピストンが戻らなくするロック機構を組み合わせることで、常に力を加えずに絞ることができる。

提案システム|頸髄損傷者のための片手で使えるタオル絞り器
提案システム|頸髄損傷者のための片手で使えるタオル絞り器

実装・モックアップ

提案システム|頸髄損傷者のための片手で使えるタオル絞り器

当事者の方からのフィードバック

良い点:使い方のイメージがつきやすく、使ってみようという意欲が湧く。操作の途中で中断できる点。
改善点:固定しないと片手で操作しにくい点。サイズは小さくてシンプルな方が、使う場所を選ばずに良い。

※当時、国立障害者リハビリテーションセンターを利用されていた方に、実物をお試し頂いた際のご感想になります。

その他のプロトタイプモデル

提案システム|頸髄損傷者のための片手で使えるタオル絞り器
提案システム|頸髄損傷者のための片手で使えるタオル絞り器

カメラの絞り機構を用いたプロトタイプモデル。グリップを往復して動かすことでタオルを絞ることが出来る。