頚髄損傷者向けヘアゴム装着用自助具『髪パッチン』

頚髄損傷者向けヘアゴム装着用自助具『髪パッチン』
千葉大学 櫻井 涼風 東京電機大学 上橋 秀平 埼玉大学 吉岡 亜由未 尚絅学院大学 大石 雄真菅原 春日 東京都立大学 鈴木 優里


ニーズ

頚髄損傷者にとって、指の細かい動きや力が必要な“髪を結ぶ動作は困難”であり、簡単に髪を結べる自助具が必要である。調査項目にある「髪留めシュシュ」を使用している場合もあるが、問題点があるため改善したい。

調査

髪留めシュシュ
簡単で安価に作れるが固定が弱く、紐が垂れ下がってしまう。

調査|頚髄損傷者向けヘアゴム装着用自助具『髪パッチン』

ワンタッチヘアゴム
両端に磁石があり髪をつまむように結べるが、指先の力が必要。

調査2|頚髄損傷者向けヘアゴム装着用自助具『髪パッチン』

アイデア

結んだ髪を維持するのが苦手な髪留めシュシュと、髪をまとめるのが苦手なワンタッチヘアゴム、それぞれの苦手を補い合うように以下の手順を踏む。
①髪留めシュシュで髪をまとめる
②ワンタッチヘアゴムを付ける
③髪留めシュシュを外し、ワンタッチヘアゴムのみ残す

提案システム

手先が上手く動かせない頸髄損傷者に向けて、指先の力や器用さを必要としないワンタッチヘアゴム装着用の自助具を開発した。

提案システム|頚髄損傷者向けヘアゴム装着用自助具『髪パッチン』

実装・モックアップ

①ヘアゴムは支援者等が予めセットしておく
②自助具の先端を箱に刺す
③自助具の先端とヘアゴムの磁石がくっつく

実装・モックアップ|頚髄損傷者向けヘアゴム装着用自助具『髪パッチン』

実装・モックアップ2|頚髄損傷者向けヘアゴム装着用自助具『髪パッチン』

実装・モックアップ3|頚髄損傷者向けヘアゴム装着用自助具『髪パッチン』

実装・モックアップ4|頚髄損傷者向けヘアゴム装着用自助具『髪パッチン』

当事者の方からのフィードバック

良い点:磁石のアイデアが良かった。自助具の柄が長いため、後ろまで手を持ってこなくても良い点。
改善点:自助具を二つ使用することで、時間がかかる点。自助具が大きいので、コンパクトさがある良い。

※当時、国立障害者リハビリテーションセンターを利用されていた方に、実物をお試し頂いた際のご感想になります。